まちづくり部会を知る

2005年に小金井市まちづくり条例の策定にかかわったメンバーが中心になって、市民会議にまちづくり部会を立ち上げました。2020年現在、4人の部員が在籍しています。


設立当初の活動(2005-2006年)

〇小金井市への提言を実施

「まちの元気はコミュニティから」をテーマに、小金井市環境市民会議まちづくり部会は、小金井の豊かな自然の恵みを暮らしに生かし、コミュニティの生まれるまちをめざして活動し、その一環として、小金井市に提言をしました。2006年には、市内の街路樹や公園、ベンチなどを中心にまち歩きを実施、アンケート調査やフォーラムを開いて市民の声を集め、以下の内容を提言しました。

 

2006年

1)みち・まちパートナー事業

前原坂上交差点より西側の連雀通りの整備計画「みち・まちパートナー事業」に市民案を提出しました。バス停にベンチを置き、街路樹にケヤキや桜を配置するなど、小金井らしさをたくさん盛り込んだ設計案を提出したが、活用されることは在りませんでした。当時は、環境政策課、道路整備課、東京都などたくさんの担当部署をまたぐ事業なので、庁内で検討されることもなく、お蔵入りとなりました。

2)小金井市環境行動指針

市民の声をまとめ、小金井市に小金井市環境行動指針案を提出しました。策定された指針は市民と行政・事業者が連携・協働して取り組むための「みちしるべ」となるものです。

指針の「公害を未然に防止するために」の項目には「洗剤は極力石けんを使用するとともに、合成洗剤は必要以上に使わないように努める」の項目があらたに盛り込まれ、市民案が生かされる形となった。今では、ほとんどの公共施設のトイレや洗面所、給湯室には「合繊洗剤は持ち込まないで」のポスターが掲示されています。このポスターも市民と行政が協働で作成したものです。

 


2008-2009年の活動

〇「公園やベンチの在り方を考えようをテーマに活動

2008年と2009年にシンポジウム「あなたの公園やベンチは元気ですか?」を開きました。2008年第一回目ではベンチについて語り合いました。実踏調査では、朽ち果てたベンチやだれも利用しないベンチを発見。ベンチなど写真約 200枚を会場の壁に掲示し、子どもが群れ、人々が出会を求めて集まる場所、だれもが行ってみたくなる場所には何があるのか、来場者に意見とアンケートを求めました。また2009年のシンポジウムでは、多様な生き物や緑、水の持つ「魅力」を切り口に、魅力あるまちづくりについて語り合いました。

〇バス停前のベンチ

当時、蓮雀通りには所有者不明のベンチがバス停にあちこち置かれていました。

そのなかでも、日赤病院行きのバス亭にあるベンチはなくてはならないものです。足の不自由な高齢者がベンチに倒れ掛かり、あやうく難を免れた光景が今でも目に焼き付いています。


2010-2012年の活動

〇「CO₂を排出しない暮らしを考えようをテーマに活動

建築家の黒岩哲彦さんをお招きして、2010年「CO2を排出しないライフスタイルと住まいを考える」をテーマに、エクセルギーハウスと自然を活かした暮らし方について学習会を開きました。

2011年からは、貫井南町3丁目の小金井市環境配慮住宅型研修施設「環境楽習館」の運営に関わった市民団体「雨デモ風デモライフラボ」の庭師事業チームと連携し、以下のような自然を活かした暮らし方の実践に取り組みました。

●生ごみの発生抑制

●生物が多様に生息できる水環境の創出(石けん使用の徹底など)

●「緑のカーテン」や樹種の選定

結果、建物西側側面に植えた梅や柿の木が成長し、夏の陽射しを遮る効果を発揮しました。また、秋には干し柿づくりもしました。

 

写真は、2011年当時の「環境楽習館」。真夏の日照を防ぐため、西側には常緑樹や落葉樹を設置しまし。

現在では、新緑の季節、豊かな葉は蒸散作用によって、周囲の気化熱を奪い、建物の温度を下げてくれています。

 

〇「自然エネルギーを活用しようをテーマに活動

2011年3月の東日本大震災と原発事故を経験し、自然エネルギーを活用したまちづくりの重要性を認識させられました。2012年、トランジショタウン小金井(団体会員)と一緒に上映会を実施しました。


2013-2017年の活動

〇主に緑調査部会、地下水測定部会と合同で活動を展開

2013年7月、10月、11月に3回のわたり、調査部会、地下水測定部会と一緒にまち歩きをしました。

 

 

〇環境講座「水・緑・土を暮らしに活かそう」(3部会合同企画)

 

法政大学名誉教授の高橋賢一さんをお招きして、環境講座を開催しました。

 

「2020年までは小金井市の人口は増加するが、それ以降は人口減少に転じる」「都市の郊外化と肥大化で失った地域資源をとりもどすには、今後増える空家や空き地の活用が重要」また「公共空間を軸にして、街路樹でつなぎ、歩行者や緑優先すれば、緑の回廊を作ることも夢ではない」「50年から100年、長い目でまちづくりを考えて」とのメッセージが印象的でした。この環境講座には高校生も参加しました。


2018年~2020年の活動

純石けんの公共施設使用実態調査の活動(2018年)

2018年10月、11月環境市民会議の団体会員である「小金井地域協議会」(7つの市内市民団体が参加する本会議の団体会員)と連携して市内25か所の公共施設の石けん使用と「合成洗剤は持ち込まないで」のポスター掲示の調査をしました。調査に協力した人数は17人。学校や保育園の調査は、現在計画中です。

上のポスターは、PDFファイルを以下からダウンロードできます。ダウンロードしてご活用ください。

ダウンロード
合成洗剤は持ち込まないでのポスター
frog_postar.pdf
PDFファイル 372.5 KB

第4次環境基本計画策定にあたっての環境市民会議部会ヒアリング報告(2019年11月)から

まちづくり部会が活動を実践するうえで、課題に感じていること

▼低炭素住宅として建築された「環境楽習館」の活用が十分ではない。

▼環境行動指針がどこまで実現されているのか市民と行政が共有する具体的な評価指標がない。

▼市民の政策提案を活かしていける仕組みが十分できていない。

・縦割り行政による弊害。

・環境審議会へ環境市民会議のメンバーが委員として参加できていない。

・審議会や検討委員会、策定委員会の合意形成と決定までのプロセスが明確ではない。

計画段階からの市民参画が十分ではない。

▼第2次環境基本計画の柱となる「生物多様性」の理念が市民に理解されていない。

まちづくり部会の今後の活動(10年先を見込んで)

コミュニティの充実した、持続可能なまちづくりを目指す。

▼SDGsを使ったまちづくりを実現する。

定期的なチエックと評価制度を導入する。

▼市民・事業者・行政が同じテーマで話し合える円卓会議をつくり、共通の評価尺度を持ち、共通のゴールを目指し活動していく。

▼環境楽習館をさらに活用し、低炭素な暮しを進める市民・事業者を増やす。